| タイトル | 搾乳牛呼気中のメタン/二酸化炭素濃度比からの1日当たりメタン排出量算出式 |
|---|---|
| 担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門 |
| 研究期間 | 2018~2021 |
| 研究担当者 |
鈴木知之 神谷裕子 及川康平 野中最子 真貝拓三 小櫃剛人 寺田文典 |
| 発行年度 | 2021 |
| 要約 | 乳用牛の呼気中メタン(CH4)と二酸化炭素(CO2)濃度を搾乳中に測定し、CH4/CO2濃度比、体重およびエネルギー補正乳量(ECM)を用いた式から1日当たりCH4排出量を算出する。搾乳ロボットを用いて、多頭数の搾乳牛で個体別CH4排出量を効率的に評価できる。 |
| キーワード | 消化管内発酵由来メタン、搾乳ロボット、二酸化炭素、搾乳牛、スニファー法 |
| 背景・ねらい | 反芻家畜の消化管内発酵によるCH4排出は、農業分野からの主なCH4排出源の一つとされており、その排出量の把握は重要である。ウシからのCH4排出量を正確に測定する方法としてチャンバー法あるいはヘッドボックス法(ここでは標準法とする)があるが、使用する装置が大きく設置や運用コストが高く1頭の測定に数日を要するため、多頭数の測定には向かない。そこで、比較的小さな装置で短時間の呼気の採取により1日のCH4排出量を求めるスニファー法が開発されているが、日本の飼養環境でのスニファー法による1日のCH4排出量の算出方法は確立されていない。そこで、標準法で得られた日本国内の搾乳牛からのCH4排出量データを用いて、新たな1日当たりCH4排出量算出式を作成する。作成した算出式の搾乳ロボットでガス採取を行う装置を用いたスニファー法への適用可能性を、搾乳牛で評価する。 |
| 成果の内容・特徴 | 1. 標準法で測定したホルスタイン種搾乳牛延べ121頭の測定値を用いて開発したCH4排出量算出式は以下の通りであり、実測値と推定値の関係を図1に示す(Adjusted R2=0.833)。 CH4排出量(L/日)=-507+0.536×体重(kg)+8.76×ECM(kg/日)+5029×CH4/CO2濃度比 但し、ECM(kg/日)=乳量(kg/日)×(376×乳脂率(%)+209×乳タンパク質率(%)+948)/3138 2. 搾乳ロボットでの部分呼気ガス濃度測定システムは図2の通りであり、搾乳ロボットで配合飼料を給与される搾乳中の乳牛において、吸引ポンプによって呼気をガス分析計に送り1秒ごとのCH4およびCO2濃度を記録する。搾乳牛不在時のロボット内ガス濃度をバックグラウンド濃度として差し引いたCH4とCO2濃度を用い、差し引き後のCO2濃度が0.05%(500ppm)以上のときの搾乳中の平均CH4/CO2濃度比の平均値を求め、これを開発した算出式に当てはめて1日のCH4排出量を求める。 3. ラテン方格法に従い、6頭の搾乳牛に中性デタージェント繊維(NDF)含量の異なる3種類の混合飼料(TMR)を給与したときの、標準法測定値と、搾乳ロボットにおけるスニファー法測定値の関係は図3の通りである。既存の算出式であるMadsenらの式(2010、算出式を図3脚注に記載)と本研究の式で得られるCH4算出精度(R2値)は同程度である。 4. 搾乳ロボット1台の搾乳可能頭数は一般的に50頭程度であり、ガス濃度測定には日内変動を最小化するために1週間程度の連続測定を要する。本システムは取外しが容易であることから測定場所を変えることにより月に最大200頭程度のCH4排出量を評価することができる。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1. 全国の搾乳ロボットを有する酪農家、大学および試験研究機関での測定に貢献することが期待される。 2. バックグラウンド濃度は搾乳前あるいは後で5分程度測定する。ホルスタイン種搾乳牛にのみ適用できる。 3. バックグラウンド濃度補正後のCO2濃度が0.05%(500ppm)以上となるように測定システムを設置する必要がある。 |
| 図表1 | ![]() |
| 研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/nilgs/2021/nilgs21_s16.html |
| カテゴリ | コスト 乳牛 ロボット |
| 乾燥した生育環境への適応性を評価するスギの遺伝子発現 マーカーの開発 |
| 少ない窒素肥料で高い生産性を示す生物的硝化抑制(BNI)強化コムギの開発 |
| キヌア自殖系統コレクションの多様性 |