課題名 | n.天敵等を用いた果樹害虫の制御・管理技術の開発 |
---|---|
課題番号 | 2008010611 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,果樹研,果樹害虫研究チーム |
協力分担関係 |
青森県農林総合研究センター 福島県農業総合センター果樹研究所 千葉県農林総合研究センター 静岡県農林技術研究所果樹研究センター 岐阜県農業技術センター 奈良県農業総合センター 愛媛県農林水産研究所果樹研究センター 鳥取県農林総合研究所園芸試験場 島根県農業技術センター 広島県立総合技術研究所農業技術センター |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2008 |
摘要 | 1)天敵昆虫による密度抑制機構の解明については、19年度におけるクリタマバチ虫えい数の増加の確認に引き続き、本年度には虫えい当たりのチュウゴクオナガコバチの羽化数の減少を見出し、チュウゴクオナガコバチの密度低下を明らかにした。天敵を定着させるための天敵増強法としてカブリダニの生息場所となる細胞培養用24穴マイクロプレートの各穴底に毛糸を設置したカブリダニ増強装置を開発し、ミカンハダニの抑制効果を確認するとともに、ハダニ捕食性昆虫については、ハダニ種の違いによる定着性の差異を明らかにした。2)天敵微生物の利用技術の開発については、チャバネアオカメムシに高い病原性を有する糸状菌Metarhizium anisopliaeは、ツヤアオカメムシに対しても同等の病原性を示すこと、およびBeauveria bassianaはクリシギゾウムシの幼虫・成虫、クリミガの幼虫に高い病原性を有することを見出した。また、Paecilomyces fumosoroseusを10月に散布すると翌年7月まで土壌中で安定して生息していることを確認した。3)情報化学物質を利用した密度抑制技術の開発に関しては、性フェロモントラップ調査によりカキミガは年2回、フジコナカイガラムシは年3回の発生を確認し、カキミガ性フェロモン剤による交信撹乱効果と被害の軽減を認めた。集合フェロモンを利用した高精度予察技術のために開発したチャバネアオカメムシ合成集合フェロモンを利用する乾式トラップが製品化され、21年度に発売されることとなった。4)減農薬管理技術の開発に向けて各種果樹害虫の特性解明を進め、ネギアザミウマはミトコンドリア遺伝子の比較解析から17のハプロタイプに分かれることを明らかにした。また、ネギアザミウマの合成ピレスロイド抵抗性に関与する新規の点突然変異を検出し、本抵抗性の遺伝子診断法を開発した。ナシヒメシンクイおよびクワコナカイガラムシの被害は、果実袋の外袋材質および処理薬剤の組み合わせにより回避できることを確認した。チャノキイロアザミウマによるかき被害の品種間差異の要因として、幼果期における本害虫の発育程度が関係していることを明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 害虫 かき カメムシ 管理技術 くり 性フェロモン 抵抗性 ねぎ 農薬 品種 フェロモン 薬剤 予察技術 |