課題名 | b.水田・転換畑土壌及び作物体中のカドミウムの存在形態等動態解明と低吸収系統の開発 |
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課題番号 | 2009013949 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,カドミウム研究チーム |
協力分担関係 |
東北大大学院 秋田農技セ 秋田県立大 北海道立農試 岩手農研 滋賀県農技セ 兵庫農総セ 愛媛農水研 熊本県農研 (公)宮城大学 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | 1)カドミウム(Cd)吸収抑制技術の開発に向けて、苦土石灰と化成肥料のうね内部分施用はえだまめ、はくさい、キャベツの可食部Cd濃度を全面施用と同程度に低減できることを現地検証した。ブロッコリーの場合、うね内部分施用では全面施用と比べて深さ10~20cmの土壌pHを高く維持できるため、可食部Cd濃度の低減効果が高かった。一方、大豆子実についてはうね内部分施用の幅20~25cm、深さ15~20cmとすれば、全面施用と比べてCd濃度の低減効果が高まることを明らかにした。2)作物体可食部Cd濃度推定法の策定については、キャベツ、はくさい、ブロッコリー、レタス、えだまめは土壌pHによって可食部Cd濃度が変動するため、土壌pHの違いに対応できる抽出法を検討し、塩化カルシウム抽出法が可食部Cd濃度の推定に最適であることを明らかにした。また、各種土壌タイプを用いたポット栽培の大豆子実Cd濃度の推定についても、塩化カルシウム抽出法が最も適することを確認するとともに、現地ほ場でも適用できる可能性を明らかにした。3)大豆のCd低吸収系統の開発に向けて、「東北156号」と「ふくいぶき」のF7系統の農業形質を評価し、現地ほ場での子実中Cd濃度によりF6世代での選抜効果を確認した。また、「東北156号」と「リュウホウ」とのBC2F1個体の子実中Cd濃度による個体選抜を行った。4)水稲のCd低吸収性品種の育成のため、「LAC23」を母本として、玄米Cd濃度が「ひとめぼれ」より30~70%低く、「LAC23」より栽培特性が改善された中間母本系統「奥羽PL6」を開発した。また、「Hulotao」を母本として、玄米Cd濃度が「ひとめぼれ」より低い4系統を選抜した。5)小麦のCd低吸収系統の開発に向けて、低吸収品種を用いた交配組合せの後代のCd濃度は連続的な分布を示し、子実Cd濃度には多数の因子が関与していると考えられた。畑ほ場で栽培した農林番号品種のCd濃度とたんぱく質含量の間に関係は見られなかった。 |
カテゴリ | 肥料 えだまめ 加工 キャベツ 水田 大豆 はくさい 品種 ブロッコリー レタス |