課題名 | g.斑点米カメムシ類の高度発生予察技術と個体群制御技術の開発 |
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課題番号 | 2010014864 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,斑点米カメムシ研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,斑点米カメムシ研究東北サブチーム |
協力分担関係 |
農業環境技術研究所 宮城県古川農業試験場 滋賀県病害虫防除所 福島県農業総合センター 茨城県農業総合センター 千葉県農林総合研究センター 鳥取県農林総合研究所 福岡県農業総合試験場 大分県農林水産研究指導センター 熊本県病害虫防除所 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | 1)斑点米カメムシ類の発生動態とその変動要因の解明に関しては、 水田地帯の土地利用形態の空間構造と植生動態調査結果をGISに導入し、畦畔雑草ならびに水田内でのカスミカメムシ類の発生動態と併せて解析することにより、景観構造(大規模な雑草地の存在や田畑混在の状態)ならびに畦畔雑草管理の時期がカスミカメムシ類の水田内侵入量に及ぼす影響を明らかにした。とくに、出穂直前の畦畔管理は水田内侵入量を増加させ、出穂10日以前の管理は侵入量を減少させることを統計モデルにより明らかにした。2)効率的発生予察・防除技術の開発においては、 (1)斑点米発生機構の解明において、土壌中の可給態ケイ酸は、現地水田においても斑点米の発生に影響を及ぼすこと、籾殻のケイ酸含量を高めることで割れ籾を低頻度に抑えることを明らかにした。籾殻燃焼灰の施肥は割れ籾発生の抑制に効果があることを示した。 (2)水田内に設置したアカヒゲホソミドリカスミカメのフェロモントラップの出穂期後5日間の誘殺数に加えて、割れ籾率を変数とすることで、その水田の斑点米被害発生確率を精度よく予測するモデルを開発し、フェロモントラップ誘殺数から薬剤防除意思決定支援を可能とした。3)情報化学物質を利用した発生予察手法の開発に関しては、 アカスジカスミカメの合成フェロモン剤の室内における持続性評価方法を確立し、新保持材を選定した。野外試験の結果、4週間以上の効果の持続性が確認されたことから、発生予察用として実用レベルのフェロモン資材が開発された。4)情報化学物質を利用した交信かく乱による新しい防除法の開発に関しては、 アカヒゲホソミドリカスミカメの合成性フェロモンによる交信かく乱効果が野外で実現しない原因を明らかにするため、合成性フェロモンを高濃度で揮散させた容器に雌雄成虫を放飼したところ、交尾率は低下傾向を示した。したがって、フェロモンが高濃度で揮散している条件下では交尾阻害が起こると考えられる。しかし、完全な交尾阻害は認められないことから、至近距離における雌雄間コミュニケーションには、接触刺激などが関与していると推定した。以上のように、新たな交信かく乱法を開発する上での問題点を明確にした。 |
カテゴリ | 病害虫 アカスジカスミカメ カメムシ 畦畔管理 雑草 水田 性フェロモン 施肥 斑点米 斑点米カメムシ フェロモン 防除 薬剤 予察技術 |