b.やませ等気象変動による主要作物の生育予測・気象被害軽減技術の高度化と冷涼気候利用技術の開発

課題名 b.やませ等気象変動による主要作物の生育予測・気象被害軽減技術の高度化と冷涼気候利用技術の開発
課題番号 2006008515
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター やませ気象変動研究チーム
協力分担関係 東北大学
岩手県立大学
情報通信研究機構
青森県農業総合研究センター
秋田県農業試験場
岩手県農業研究センター
岩手県工業技術センター
宮城県古川農業試験場
福島県農業総合センター
新岩手農業協同組合
研究期間 新規2006-2010
年度 2006
摘要 (1)東北地域に農作物被害をもたらす気象の周期性を評価するため、関連が想定される熱帯海洋海水面温度データを分析したところ、海水面温度東西差と大気上層における収束発散場との間で、東シベリアに中心を持つ広範囲な正の相関分布が得られ、半球規模での波の伝搬が示唆された。(2)気象予測値を用いた水稲発育モデル等の改良に寄与するため、発育モデルに用いられる発育指数(DVI)の計算方法を改良し、将来の発育ステージが予測可能なモデルを作成した。また、1993年の事例解析では、障害不稔歩合をノンパラメトリック回帰によるモデルで比較的よく推定できた。(3)いもち病感染好適条件予察モデルの改良・検証を進めるための実験を行ったところ、20℃以下の水温で穂いもちの感受性が大きくなる(感染しやすくなる)ことが明らかとなった。接種後の気温が低いほど、葉いもち病斑は大きく多くなる。(4)耐冷性およびいもち病に対する抵抗性遺伝子と連鎖するDNAマーカーを作出するため、遺伝子座のマッピングを行った。「麗江新団黒谷」の耐冷性関連遺伝子は、第3染色体長腕部に座乗し、稈長のQTLと連鎖している可能性が示唆された。また、「あそみのり」のいもち病抵抗性遺伝子は、白葉枯病抵抗性遺伝子と密接に連鎖しており、連鎖するマーカー座の遺伝子型間で、発病程度に有意な差が確認できた。(5)障害軽減技術の開発に向けて冷温障害発生メカニズムを究明するため、穂ばらみ期耐冷性に関与するイネ葯冷温ストレス応答遺伝子に関する解析を実施し、発現調節を担うプロモーターの機能を明らかにするとともに、冷害危険期の遊離四分子細胞カロース壁の定量に関して、アニリンブルー蛍光染色による蛍光の強度および輝度解析によりカロース量の計測が可能なことを明らかにした。(6)やませ地帯の野菜生産安定化のための新たな作型の確立に関して、盛夏期ホウレンソウ栽培の前作としてエダマメ、サヤインゲン、カラシナ、レタス、コマツナが有望であることがわかった。また、 野菜の地中冷却および寒冷紗の遮光による夏~秋作葉菜類のビタミンC、硝酸含量の変動を調査した結果、コマツナ、京菜(水菜)、リーフレタス、いずれの品目についても地中冷却による硝酸含量の低下が確認できた。さらに、収穫前の遮光除去により、硝酸含量の増加が抑えられることが明らかとなった。(7)水稲等主要作物の気象被害早期警戒システムの高度化を図るため、気象観測データ、気象予測データを用いて農作物生育予測情報、深水管理情報等を発信するウェブシステムを構築した。GISによる1kmメッシュデータベースを基にしているため、任意の地域の情報閲覧が可能である。このウェブシステムは、気象変動特性に関する研究成果、気象予測データを用いた水稲生育予測モデル・いもち病予測モデル等の運用、野菜安定生産に関する研究成果の情報発信プラットフォームとして位置づけられる。
カテゴリ いもち病 えだまめ からしな こまつな さやいんげん 水稲 生育予測 データベース DNAマーカー 抵抗性遺伝子 凍害 ほうれんそう 水管理 リーフレタス レタス

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