タイトル | 早生で良食味の水稲新品種候補「上育445号」 |
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担当機関 | 上川農試 |
研究期間 | 1997~2005 |
研究担当者 |
佐藤 毅 木内 均 木下雅文 沼尾吉則 吉村 徹 佐々木忠雄 粕谷雅志 品田博史 相川宗嚴 前川利彦 平山裕治 新発田修治 藤野賢治 高橋智美 菊地治己 田中一生 丹野 久 新橋 登 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 「上育445号」は、出穂期が早生の早と早く、成熟期は早生の晩であり、北海道中央部での直播栽培も可能な熟期である。また、「ほしのゆめ」並の良食味で、さらに多収で耐冷性が強い。 |
キーワード | イネ、早生、良食味、移植、直播 |
背景・ねらい | 栽培条件の厳しい地帯において、また省力化および複合経営に有効な直播栽培において食味・収量・販売上の理由により、栽培上不安定な中生品種が作付けされている。そこで直播栽培も可能な早生良食味品種を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1.「上育445号」は平成9年に中生・良食味系統の「上育428号」を母、極早生直播用系統の「空育159号」を父として人工交配を行い、以後選抜、固定を図ったものである。 2.出穂期は移植栽培で「ゆきまる」より2日早く、「ほしたろう」より3日早い“早生の早”である(表1)。直播栽培では「ゆきまる」並である。 3.成熟期は移植栽培で「ゆきまる」より1日早く、「ほしたろう」より2日早い“早生の晩”である。直播栽培では「ゆきまる」より1日遅い。 4.収量は移植栽培では「ゆきまる」より8%、「ほしたろう」より4%高い。直播栽培では「ゆきまる」より14%高い。 5.穂孕期の耐冷性は「ゆきまる」「ほしたろう」より強い“強”である。 6.いもち耐病性は「あきほ」「ほしたろう」並の“中”である。 7.食味は「ゆきまる」に優り「ほしのゆめ」並である。 |
成果の活用面・留意点 | 1.直播栽培も可能な良食味系統の「上育445号」を「ゆきまる」「ほしたろう」の全てと栽培条件の厳しい地帯の中生品種に置き換えて作付けすることにより、北海道米の食味水準を引き上げるとともにその生産の安定化を図る。 2.成苗移植栽培では早期異常出穂の恐れがあるので、育苗時の適正な管理に努める。また、移植栽培では初期の分げつ性がやや劣り穂数確保が難しいので、側条施肥などにより初期生育を促進する。 3.直播栽培においては苗立ちが劣る場合があるので、塩水選などの種子準備や落水出芽における水管理に十分留意する。また、直播栽培を行う地帯は「落水出芽法を用いた水稲直播栽培の安定多収技術(平成16年普及推進事項)」における「ゆきまる」の栽培適地とする。さらに直播用種子の採種にあたっては、「汎用コンバインによる水稲直播用種子の収穫技術(平成15年普及推進事項)」を遵守する。 平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「水稲新品種候補「上育445号」」(普及奨励) |
図表1 | |
カテゴリ | 安定多収技術 育苗 経営管理 栽培条件 直播栽培 省力化 新品種 水稲 施肥 品種 水管理 良食味 |