タイトル |
まさかりかぼちゃ及び札幌大球キャベツの特性 |
担当機関 |
道立花野技セ |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
高宮泰宏
大道雅之
林哲央
伊藤義夫
福川英司
田中静幸
大久保進一
八木亮治
長尾明宣
野田智昭
高橋 睦
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発行年度 |
2007 |
要約 |
北海道保有遺伝資源では「PGR1210Z」など4系統が果皮が硬く、粉質で高乾物率のまさかりかぼちゃの特性を強く有し、産地での採種も可能である。札幌大球キャベツ「札幌大球1号甘藍」は慣行品種より早生で家庭での漬け物利用に適した大きさである。
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キーワード |
地方野菜、まさかりかぼちゃ、札幌大球、キャベツ、特性
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背景・ねらい |
地域の食文化多様化を支援するために、伝統的な地方野菜であるまさかりかぼちゃと札幌大球キャベツについて、栽培・品質特性と作業性等の問題点を明らかにし、北海道における生産振興に寄与する。
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成果の内容・特徴 |
- 道立農試保有のまさかりかぼちゃ遺伝資源13系統の特性を評価した結果、全ての系統
は果皮が硬く、まさかりかぼちゃとしての特性を備えている。一部で奇形雄花と心止り症状が発生するが生育に大きな影響はない。肉質が粉質で乾物率が高い系統は「PGR 1210Z」、「S4 D4-3-1」、「S5 07-2-3-1」、「78 安田まさかり2」である(表1)。
- まさかりかぼちゃの導入を希望する産地での良質種子の安定確保を目的に、遺伝資源部慣行法によりまさかりかぼちゃ遺伝資源の採種を行った結果、1果当り350~650粒程度の種子を採種することができ(表2)、発芽率も概ね良好である。それらは果皮が硬く、まさかりかぼちゃとしての特性を備えている(表1)。
- 札幌大球キャベツの産地での実態調査の結果、重量増を目的に裂球寸前まで肥大させるため、裂球が主要な障害で、可販球率は8割程度である。栽培上の問題点として収穫負担があげられる。
- 作期Ⅰ(6月定植)では、「札幌大球1号甘藍」は現地慣行品種の「札幌大球4号甘藍」に比べ収穫期が20日程度早く、平均一球重が軽い(表3)。
- 作期Ⅱ(7月定植)の「札幌大球1号甘藍」は、作期Ⅰに比べ平均一球重が4kgと小さく、内部品質は優る(表3)。また、生産者等により「札幌大球4号甘藍」と品質が同等と判断され、直売所利用者を対象としたアンケート調査では「大きさが手頃」と評価される。
- これらの結果から札幌大球キャベツ栽培のポイントを示す(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- まさかりかぼちゃの品種選定と良質種子の安定確保の参考とする。また、札幌大球キャベツの生産安定と新たな需要喚起の参考とする。まさかりかぼちゃ種子は「北海道立農業試験場遺伝資源提供要領」により提供可能である。
- まさかりかぼちゃは着果期以降に草勢が著しく低下すると、皮の硬化が不充分で、乾物率も充分に上がらないので、草勢管理とうどんこ病防除に留意する。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「まさかりかぼちゃ及び札幌大球キャベツの特性」(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
遺伝資源
うどんこ病
かぼちゃ
キャベツ
栽培技術
品種
防除
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