短節間かぼちゃ「TC2A」の省力・安定栽培技術

タイトル 短節間かぼちゃ「TC2A」の省力・安定栽培技術
担当機関 栽培環境科
研究期間 2006~2008
研究担当者 平井 剛
野田智昭
福川英司
林 哲央
長尾明宣
地子 立
田中静幸
八木亮治
発行年度 2008
要約 短節間かぼちゃ「TC2A」は、育苗に深型セルトレイを用い、施肥窒素量の30%程度を緩効性肥料(40日タイプ)とし、2条千鳥植えとすることで収量・品質の安定化と省力・低コスト化が可能である。また、機械定植には光崩壊性フィルムマルチが望ましい。
キーワード かぼちゃ、短節間、窒素、緩効性肥料、2条植え、機械定植
背景・ねらい
    北海道農業研究センターで育成した短節間品種「TC2A」(ほっとけ栗たん)は、高粉質で省力栽培に優れた特性を有している。この短節間新品種の特性を生かして、さらに省力・安定化するための栽培指針を提案する。
成果の内容・特徴
  1. 「TC2A」の全体の窒素含有量は6月下旬~7月上旬に大きく増加するが、それ以降はほとんど増加せず、果実に吸収される窒素は茎葉からの転流によるものである(図1)。このため「TC2A」の施肥においては、7月上旬(開花始期)までに十分に窒素を供給する必要がある。
  2. 分施適期は現行基準の着果揃い後より早い6月下旬から7月初めまで(開花始期以前)と考えられ、分施時期が遅れると増収効果が認められない。また、全窒素施肥量の30%程度を緩効性肥料(40日タイプ)とすることで適期分施と同等の増収効果が認められ、茎葉の残存量が増加する。これにより日焼け果の減少が期待される(データ省略)。
  3. 畦幅300cmの2条千鳥植えでも畦幅150cmの1条植えと同等以上の収量、品質が得られる。2条千鳥植えとすることによりマルチ施工労力および資材費軽減が可能であり、この場合ベッド幅を100cmとすることでさらに収量、品質が安定する(表1)。
  4. セルトレイを深型(深さ58mm)とすることで、定植方法にかかわらず収量および品質がより安定する(表1)。
  5. 機械定植により定植に係る作業時間を約70%縮減できる可能性が見いだされ、機械定植により活着した株の収量・品質は手植えと比較して遜色ない(表1)。機械定植における活着性には作業時の温度およびマルチフィルムが大きく影響し、マルチフィルムが農ポリの場合、高温時間帯に機械定植作業を行うと健全率が低下するが、光崩壊性フィルムは農ポリに比べ温度による影響を受けにくく、安定した結果が得られる(表2)。
  6. 「TC2A」の生育特性を踏まえ、低コスト安定生産を目指した栽培指針を表3に示す。

成果の活用面・留意点
  1. 産地における短節間品種「TC2A」導入時の指針とする。
  2. 供試移植機は2条千鳥植えに対応可能であるが、2条植えに関する試験は手植えで実施したものである。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「短節間かぼちゃ「TC2A」の栽培指針」(指導参考)
図表1 213968-1.jpg
図表2 213968-2.jpg
図表3 213968-3.jpg
図表4 213968-4.jpg
カテゴリ 肥料 安定栽培技術 育苗 かぼちゃ 栽培技術 新品種 施肥 低コスト 日焼け果 品種

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