大粒で主要病害に強い日本初の二条裸麦品種「ユメサキボシ」

タイトル 大粒で主要病害に強い日本初の二条裸麦品種「ユメサキボシ」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター
研究期間 1989~2008
研究担当者 伊藤昌光
高橋飛鳥
高山敏之
松中 仁
杉浦 誠
石川直幸
長嶺 敬
土井芳憲
土門英司
藤田雅也
柳沢貴司
発行年度 2008
要約 裸麦新品種「ユメサキボシ」は二条性で大粒であり、千粒重が大きく、整粒重が高い。耐倒伏性に優れて、精麦白度が高い。大麦縞萎縮病、赤かび病、うどんこ病の主要病害に強い。
キーワード 二条ハダカムギ、大粒、整粒重、新品種、精麦品質
背景・ねらい
裸麦品種「イチバンボシ」は、安定多収で精麦特性も優れる。しかし年次によっては整粒歩合の著しい低下が見られ、多収が整粒重に反映せず、生産者の意欲をそぐことがある。また「イチバンボシ」は一部の産地では穀粒が小さくなる傾向があり、実需者から改善を求められている。そこで「イチバンボシ」より粒が大きく、整粒重が高く、主要病害に強く、軟質で精麦白度が高く、精麦品質の優れる品種を育成する。
成果の内容・特徴 品種の長所についてマーキングする(表1)。
  1. 「ユメサキボシ」は、1990年4月に四R系833(ナンプウハダカ/Mona)を母親に、ニシノチカラを父親として人工交配し、集団育種法で育成された。2007年度の世代は雑種第19代である。
  2. 二条並性で播性の程度はiである。育成地では「イチバンボシ」と出穂期は同程度で、成熟期は2日遅い(表1)。
  3. 稈長は「イチバンボシ」と同程度であり、穂長は長く、穂数は多い。耐倒伏性は「やや強」である(表1)。
  4. 大麦縞萎縮病抵抗性は「極強」で、うどんこ病抵抗性は「極強」である(表1)。
  5. 赤かび病抵抗性は「強」である。穂発芽性は「やや易」である(表1)。
  6. 子実重は「イチバンボシ」と同程度であり、リットル重は劣り、千粒重は優る(表1)。
  7. 整粒歩合は「イチバンボシ」と同一篩上では優り、整粒重(2.2mm篩)がかなり優る(表1)。
  8. 原麦粒の見かけの品質は「イチバンボシ」と同程度である。粒の色は黄色い。粒の大小は大きい。粒の形はやや長い(表1)。
  9. 60%搗精試験による精麦白度は「イチバンボシ」よりやや優るが、砕粒率が高い(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 関東以西の平坦地に適する。
  2. 成熟期がやや遅いので適期播種、適期刈りに努める。
  3. 穂発芽性は「やや易」であるが、二条大麦の普及品種と比べて遜色ない。
  4. 埼玉県で認定品種に採用。
図表1 220521-1.gif
図表2 220521-2.gif
カテゴリ 育種 萎縮病 うどんこ病 大麦 新品種 抵抗性 播種 はだか麦 品種

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