温暖地の稲麦二毛作向き多収低アミロース米水稲新品種候補系統「関東224号」

タイトル 温暖地の稲麦二毛作向き多収低アミロース米水稲新品種候補系統「関東224号」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究期間 1998~2008
研究担当者 安東郁男
根本博
石井卓朗
加藤浩
太田久稔
平林秀介
竹内善信
前田英郎
井辺時雄
佐藤宏之
平山正賢
出田収
坂井真
田村和彦
青木法明
発行年度 2008
要約 水稲新品種候補系統「関東224号」は温暖地東部での熟期が早生の晩に属する低アミロース米系統である。良食味で縞葉枯病抵抗性を有し、晩植で多収である。麦跡栽培向けの品種として期待できる。
キーワード イネ、麦跡、晩植、多収、縞葉枯病抵抗性、良食味
背景・ねらい 関東は稲麦二毛作地帯が多いが、麦跡で生産された米の市場評価は低く、市場性の高い麦跡栽培向け品種が生産現場から求められている。麦跡の晩植栽培での良食味米生産の一つの手法として、低アミロース米品種の利用が考えられ、群馬県や埼玉県では「ミルキープリンセス」の産地が形成されている。しかし「ミルキープリンセス」は収量性が不十分であるため、晩植で多収・良質の低アミロース米品種を育成しようとした。
成果の内容・特徴
  1. 「関東224号」は耐倒伏性が強く良食味の「東北168号」と縞葉枯病抵抗性の低アミロース米品種「ミルキープリンセス」の交雑後代より育成された低アミロース米系統である。
  2. 出穂期は「ミルキープリンセス」より1日遅く、成熟期は2日晩生で、育成地では“早生の晩”熟期に属する(表1)。
  3. 稈長は「ミルキープリンセス」並である。穂数は「ミルキープリンセス」より少なく、草型は“偏穂重型”である(表1)。
  4. 晩植栽培での玄米重は「ミルキープリンセス」「朝の光」よりも12%多収である(表1)。
  5. 多収要因は、千粒重・登熟歩合は同等で㎡当たりの穂数が少ないものの、一穂籾数が多いため、㎡当たりの籾数が多いことによる(図1)。
  6. 耐倒伏性は「ミルキープリンセス」並の“強”である(表1)。
  7. いもち病真性抵抗性遺伝子型はPia,Piiと推定される。圃場抵抗性は、葉いもちが“中”、穂いもちが“やや強”である。白葉枯病抵抗性は“やや弱”である。縞葉枯病には“抵抗性”である(表1)。
  8. 玄米の外観品質は「ミルキープリンセス」並の“中の中”である(表1)。
  9. 「ミルキープリンセス」と同じ低アミロース遺伝子Wx-mqを有し、晩植でのアミロース含有率は、「ミルキークイーン」「ミルキープリンセス」と同等の9.2%である(表1)。
  10. 炊飯米の食味は「朝の光」より明らかに優り、「ミルキープリンセス」並かやや劣る(表1、表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 縞葉枯病抵抗性を持ち、晩植で「朝の光」よりも明らかに食味・収量が優るため、温暖地の稲麦二毛作栽培に向く。
  2. 白葉枯病に弱いので適正な防除を行う。
  3. 直播栽培にも利用できる。
図表1 226680-1.jpg
図表2 226680-2.jpg
図表3 226680-3.gif
図表4 226680-4.gif
図表5 226680-5.gif
図表6 226680-6.gif
カテゴリ 病害虫 いもち病 直播栽培 縞葉枯病 新品種 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 二毛作 品種 防除 良食味

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