| 課題名 | b.地域条件を活かした飼料用稲低コスト生産技術及び乳牛・肉用牛への給与技術の確立 |
|---|---|
| 課題番号 | 2009013851 |
| 研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
| 研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,東北飼料イネ研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,関東飼料イネ研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,北陸大規模水田作研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,中山間耕畜連携・水田輪作研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,イネ発酵TMR研究チーム |
| 協力分担関係 |
新潟県農業総合研究所 岩手大学 日本女子大学 農環研 日本農業研究所 名古屋大学 鳥取県農林総合研究所農業試験場 岡山県農業総合センター・農業試験場 広島県立総合技術研究所畜産技術センター 沖縄県農業研究センター |
| 研究期間 | 2006-2010 |
| 年度 | 2009 |
| 摘要 | 地域条件に応じた飼料用稲の栽培管理技術等の開発に向けて、1)発酵粗飼料用稲品種の混植(混合栽培)によりいもち病の発生を軽減できることを3年間にわたって現地で実証し、その軽減程度はほ場抵抗性強品種の栽培で農薬を散布した場合と同程度であることを明らかにした。2)東北地域の主要な稲発酵粗飼料用品種である早生の「べこごのみ」と中生の「夢あおば」を対象に、日平均気温から生育を予測できるモデルを作成した。本モデルを利用することにより、適切な肥培管理や適期収穫が可能となる。3)液肥の流入施肥器に自動水管理装置のセンサを組み込み、施肥終了時に自動的に入水を停止する装置を試作した。この装置により、夜間などの水量の安定した時間帯に省力的な流入施肥が可能であることを実証した。4)自脱コンバインを用いた稲の刈倒しと、クローラロールベーラとセミクローラトラクタの組合せによる収穫・梱包作業体系において、ウィンドローの幅を0.7mにすれば、十分な乾燥速度が得られることを明らかにした。5)リアルタイムPCR法による土壌中の稲こうじ病菌定量法を確立し、発生危険度診断プログラムを作成した。また、本病害抵抗性の遺伝資源として「中部32号」と「奥羽351号」を選定した。6)多用途向けのインディカ系水稲品種において700kg/10aの多収を得るためには、出穂後30日間の積算平均気温が700℃以上となる登熟条件が必要なことを明らかにした。また、立毛条件でもみ水分を20%程度にまで乾燥させるには、出穂後の積算気温が1,500℃となる時期まで収穫を遅らせる必要があることを確認した。7)北陸地域では、主要品種を対象とした場合に、多用途水稲を5月初旬に移植し、その後5月中下旬に食用水稲を移植する作期体系が、両者の移植・収穫作業において競合の少ない体系であることを明らかにした。8)関東地域で、5月上旬に移植する飼料イネ「リーフスター」の栽培では、牛ふん堆肥2t/10aと窒素(硫安:被覆尿素=2:10)12kg/10aを施用すると、1.8t/10a以上の黄熟期地際刈乾物収量と高い収益性を得られること、牛ふん堆肥の施用量を6t/10aとすると2t/10a施用した場合よりも単位施用量当たりの収量が低下し、収益も向上しないことを確認した。また、飼料イネにおいて、10a当たり堆肥を2t、窒素を12kg施用する多肥栽培を行い、細断型機で収穫すると、稲発酵粗飼料の生産コストは慣行体系より約41%低減することを明らかにした。9)漏生稲の発生を抑制するには、冬季や春季の耕起よりも秋季の耕起が有効であること、年内の有効積算気温が100℃日(下限温度10℃)以上となる時期までに種子を土中に埋没させると、多くの種子が冬前に発芽し、冬季の低温により枯死するため、翌春の発生率が少なくなることを明らかにした。10)高糖分飼料イネ「中国飼198号」に対しても、飼料イネ「クサノホシ」で実施してきた乾田直播栽培技術が適用可能なことを現地ほ場で確認した。11)自脱コンバイン型の長稈飼料用稲収穫機を試作し、動作確認試験により実用的な処理量を得るためには、刈り取りの際に稲が集合する部分の容量を増やすなどの改良が必要なことを明らかにした。 高品質サイレージ調製技術の開発に向けて、1)飼料イネにおいて、β-カロテン含量の収穫時期による変動を調査し、β-カロテン含量の高い飼料イネを得るには、黄熟期までに収穫することが必要なことを確認した。 飼料用稲の乳牛・肉用牛への給与技術の開発に向けて、1)籾米、玄米ともに破砕程度を任意に変えることにより飼料用米の消化性を向上できる低価格の飼料用米破砕機を開発・市販化した。2)飼料イネサイレージ飽食下の黒毛和種雌牛(体重550kg程度)において、補助飼料(大豆粕)の給与頻度、給与量の違いが飼料の消化率、栄養価、窒素出納及び血液性状に及ぼす影響を考慮すると、大豆粕(約1kg)を維持期では6日に1回程度給与すると維持期の粗たんぱく質(CP)要求量を充足できる可能性があること、CP要求量が増加する妊娠末期2ヶ月ではほぼ毎日給与する必要があることを明らかにした。3)稲WCS等の粗飼料に配合飼料代替飼料として甘しょ焼酎粕濃縮液を乾物ベースで20%混合した発酵TMRの発酵品質は良好であり、本発酵TMRを泌乳牛に給与しても乳生産成績や乳の風味に問題は生じないことを明らかにした。4)黒毛和種肥育牛の仕上げ期に、玄米、甘しょ焼酎粕濃縮液、乾燥豆腐粕などを混合した発酵TMRを給与する場合、乾物ベースで配合飼料の6割をこれらで代替しても良好な枝肉成績が得られることを大規模肉用牛経営で実証した。 耕畜連携システムの成立条件の解明に向けて、1)水田を用いた周年放牧モデルとして、牧草放牧、飼料イネ立毛放牧及び稲発酵粗飼料給与を組合せると、繁殖牛1頭当たり40aの農地面積で周年放牧できることを明らかにした。また、転作田を飼料イネや牧草の生産及び放牧等に利用する経営において、耕種経営、繁殖経営及び両者の複合経営における所得を最大化するための土地利用法を明らかにした。さらに、遊休農地を解消し、省力化や規模拡大、飼料自給率の向上を通した繁殖経営の発展のためには、牧草と飼料イネを計画的に組合せて周年放牧を実施することが効果的であること明らかにした。2)高糖分飼料イネ「中国飼198号」の生産技術等の効果的導入に向けて、導入対象組織として3つの営農試験地における集落営農組織や広域コントラクターを選定し、経営実態調査から、集落営農組織では飼料用稲WCSの運搬・流通の支援体制の構築が、広域コントラクターでは飼料用稲収穫機械の運搬・回送費の低減がそれぞれ課題となっていることを明らかにした。3)汎用GISを利用した飼料生産支援システムを構築するとともに、大規模な飼料生産コントラクターにおいて実証試験を行い、本システム導入により作付・作業管理の一元化が図られ、収穫効率が向上することを確認した。4)2kg/m2を上回る多量の牛ふん堆肥を連用したり、堆肥散布から入水までの期間が長くなる早期散布を行うと、窒素が浸透流出するリスクが高まること、特に稲の作付をやめて休耕・無かんがいとしたほ場では、過去に施用した堆肥の量に応じて窒素の浸透流出量が増大することをライシメータ試験で明らかにした。 |
| カテゴリ | 病害虫 遺伝資源 稲こうじ病 いもち病 乾燥 乾田直播 規模拡大 経営管理 コスト コントラクター 栽培技術 作業管理 市販化 収穫機 省力化 飼料用米 飼料用作物 水田 施肥 大豆粕 抵抗性 低コスト 肉牛 乳牛 農薬 繁殖性改善 肥培管理 病害抵抗性 品種 水管理 |