b.寒冷・冷涼気候を利用した夏秋どりいちご生産技術と暖地・温暖地のいちご周年生産技術の確立

課題名 b.寒冷・冷涼気候を利用した夏秋どりいちご生産技術と暖地・温暖地のいちご周年生産技術の確立
課題番号 2010014851
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,夏秋どりイチゴ研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,イチゴ周年生産研究チーム
協力分担関係 岩手農研セ
宮城農総研
青森産技セ
山形最上支庁
秋田農技セ
福島農総セ
佐賀県農業試験研究センター
鹿児島県農業開発総合センター
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 寒冷・冷涼気候を利用した夏秋どりいちごの高収益生産の実現に向けて、1)「盛岡35号」について初年度の系統適応性検定・特性検定試験を実施し、各検定場所から良好な評価を得た。また、四季成り性および一季成り性の有望系統を選抜した。2)1マーカーで多数のいちご品種を識別できるSSRマーカーを開発した。3)一季成り性品種を用いた夏秋どりいちご栽培技術の開発に関しては、「紅ほっぺ」、「もういっこ」、「雷峰」が本作型に適することを明らかにした。4)四季成り性品種に対する長日処理により、花房数は増加し、三季どり栽培の秋収量が増加することを確認した。5)四季成り性品種の花成促進に対する日長の効果は、明期24時間処理が最も効果的であり、間欠光は連続に比べて効果が劣ることを明らかにした。6)四季成り性品種の早晩性は、一年生苗の第1花房の着生節位と開花株率によって早生、中生、晩生の3つに類型化できること、また、連続出蕾性(四季成り性の強弱)は早晩性と関連性が高く、早生品種ほど連続出蕾性が強いことを明らかにした。7)24時間日長処理によって四季成り性個体と非四季成り性個体の判別は可能である。また、従来型品種と日長の長短にかかわらず花を咲かせる中間型品種(day-neutral型品種)の四季成り性は同一の優性遺伝子によって支配されていることを明らかにした。8)寒冷気象下で発揮されるいちごの生育・休眠特性の解明を行い、5℃以下の低温に1500時間程度遭遇した場合には、「とちおとめ」では20℃以上の昼温に300時間程度遭遇した場合でもその後の開花連続性は消失するが、「北の輝」および「盛岡35号」では20℃以上の昼温にほとんど遭遇しない場合にも開花が連続することを明らかにした。 暖地・温暖地における施設いちごの周年・高品質生産の実現に向けて、1)3.1a規模のハウスに吊り下げ式可動ベッドを設置し、バッグ方式による少量培地栽培にクラウン温度制御技術を組み合わせた新しい栽培システムの現地実証試験を実施し、定植時間の60%削減と収量の100%増加を確認した。2)少量培地の高密植栽培により「紅ほっぺ」で9t/10aの収量を実現した。栽培槽とバッグを組み合わせた株当たり約1Lの極少量培地栽培において、モミガラ培地利用による低コスト化の可能性が示唆された。3)育苗中のいちご苗に発生したアブラムシ、ハダニ、うどんこ病は、蒸熱処理装置を用いた飽和水蒸気の48℃・30分あるいは50℃・10分の処理で完全に防除できることを明らかにした。4)day-neutral型由来の四季成り性に相関するRAPDマーカーをSCARマーカー化した。さらに、day-neutral型に相関するRAPDマーカーを新たに1つ開発した。5)四季成り性の「イチゴ久留米61号」の特性検定・系統適応性検定試験では、炭疽病炭そ病に対して中程度の抵抗性を有し、夏期の連続出蕾性に優れ、収量が多く、食味が良好であるとの評価を得た。6)機能性を有するいちご品種の開発では、DPPHラジカル消去活性が20μmol-Trolox eq/g-新鮮重以上の高い抗酸化活性を示す、交配実生より20個体、系統選抜予備試験より4系統を選抜した。7)生産力検定予備試験以降の育成系統のうどんこ病および炭疽病炭そ病抵抗性について圃場抵抗性評価および接種検定を行い、「イチゴ久留米62号」と新育成2系統が高い複合病害抵抗性を有することを確認した。8)伸縮性フィルムでいちご果実とホールトレーを固定することで輸送中の果実の傷みを大幅に軽減できるいちご包装容器を開発した。
カテゴリ 育苗 いちご うどんこ病 機能性 栽培技術 炭疽病 抵抗性 低コスト 病害抵抗性 品種 防除 輸送 良食味

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