課題名 | b.未利用バイオマス及び資源作物を原料とした低コスト・高効率バイオエタノール変換技術の開発 |
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課題番号 | 2010014903 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,食総研,食品素材科学研究領域,糖質素材ユニット (独)農業・食品産業技術総合研究機構,食総研,食品バイオテクノロジー研究領域,機能分子設計ユニット (独)農業・食品産業技術総合研究機構,食総研,微生物利用研究領域,酵母ユニット (独)農業・食品産業技術総合研究機構,食総研,食品バイオテクノロジー研究領域,生物機能利用ユニット (独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,寒冷地バイオマス研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,機能性飼料研究チーム |
協力分担関係 |
国立大学法人東京大学 国立大学法人長岡技術科学大学 国立大学法人帯広畜産大学 (独)産業技術総合研究所 (独)森林総合研究所 学校法人日本大学 国立大学法人北海道大学 国立大学法人京都工芸繊維大学 国立大学法人京都大学 富山県 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2010 |
摘要 | バイオマス前処理の効率化に関しては、1)水酸化カルシウムを用いて室温(RT)で7日間稲わら等の前処理を行うRT-CaCCO法を開発し、これにより稲わらを非乾燥状態で貯蔵しながら、繊維質の前処理が可能となった。2)粗粉砕または微粉砕した稲わら稈部を原料とし並行複発酵を行ったところ、微粉砕物の方が高いエタノール生産量が得られ、粉砕度が発酵効率に影響することが確認された。糖化工程効率化に関しては、1)エノキタケの形質転換系を構築し、糖化酵素セロビオハイドロラーゼをエノキダケで発現させることに成功し、この形質転換株によって水酸化カルシウム処理稲わらのエタノール変換率を調べたところ48%の変換率が得られ、野生株(6%変換率)に比べ顕著な上昇が確認された。2)グルコースによるセルラーゼ生産抑制を解除したトリコデルマ・リーセイ変異株を作出することに成功し、グルコース・セロビオース混合液においても高効率かつ安定的なセルラーゼ生産が可能となった。3)セルロース分解酵素の繰り返し利用による酵素使用量の低減を可能にする技術が開発された。発酵工程効率化に関しては、1)高温耐性呼吸欠損変異株Cgrd1株を開発した。Cgrd1株は、呼吸によるエタノール消費が抑えられるため、生成したエタノールの消耗を防ぐことができることから、高温・高撹拌での同時糖化発酵が可能となり、糖化効率およびエタノール生産性が向上する。2)馬鈴薯からのエタノール生産に優れている酵母株については、エタノール耐性株との細胞融合を行い、連続発酵が可能な実用的酵母株を開発した。3)キシロース発酵酵母の一種Pichia stipitis由来のキシロース代謝関連遺伝子を導入した酵母株を開発し、同株を用いてグルコースとキシロースの混合液からのエタノール生産能を調査した結果、野生酵母株に比べて顕著に高いエタノール生産能が確認された。バイオエタノール抽出残渣の有効利用に関しては、1)さつまいも、じゃがいも、テンサイを原料とするバイオエタノール発酵残さの粗蛋白質、粗脂肪、粗繊維(OCW)、可消化養分含量(TDN)等を調べた結果、発酵残さが牛の飼料として利用できることが明らかとなった。2)乳酸生成能および酸耐性性が高い乳酸菌を選抜し、利用することで、良質なサイレージの調製および長期貯蔵を可能にした。3)さつまいも抽出残さサイレージの小規模発酵試験で、乳酸菌製剤の添加によって良質なサイレージが調製でき、また抽出残さとトウモロコシの混合調製や抽出残さを添加したTMR (Total Mixed Ration)発酵飼料等でも良質なサイレージが調製できた。 |
カテゴリ | えのきたけ 乾燥 高温耐性 生産拡大 長期保存・貯蔵 低コスト てんさい とうもろこし ばれいしょ |