ダイズモザイク病と倒伏に強い中生の大豆品種「あきみやび」

タイトル ダイズモザイク病と倒伏に強い中生の大豆品種「あきみやび」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 1998~2014
研究担当者 菊池彰夫
島村聡
加藤信
平田香里
河野雄飛
湯本節三
高田吉丈
島田信二
境哲文
島田尚典
高橋浩司
足立大山
田渕公清
発行年度 2014
要約 大豆品種「あきみやび」は、東北地域における成熟期が中生でダイズモザイクウイルスと倒伏に強く、子実は白目大粒で豆腐などの加工に適する。
キーワード ダイズ、中生、ダイズモザイクウイルス抵抗性、耐倒伏性、加工適性
背景・ねらい 東北地域中南部には、中生種の「タンレイ」や「タチナガハ」が主力品種として作付けられている大豆産地がある。しかし、「タンレイ」は、ダイズモザイク病や紫斑病に罹りやすく、着色粒が発生することから、安定生産のために抵抗性の強化が望まれている。また、「タチナガハ」は、最下着莢節位高が高く、機械化栽培に適しているが、豆腐の加工適性が劣ることから、実需者が利用しやすい加工適性を有する品種が求められている。そこで、東北地域に適した中生で耐病性と機械化適性を有し、豆腐などの加工適性の高い品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「あきみやび」は、1998年、早生の「フクシロメ」を母、大粒でダイズモザイクウイルス抵抗性強の「刈系623号」を父とした人工交配から育成された品種である。
  2. 東北地域における成熟期は、育成地の「スズカリ」および宮城県の「タンレイ」とほぼ同じ中生で、収量も同等である(表1)。
  3. 耐倒伏性、青立程度、最下着莢位置、裂莢性から見た機械化適性は、「スズカリ」および「タンレイ」と同等~やや優れる(表1)。
  4. ダイズモザイクウイルスに対する抵抗性は、A、B、CおよびDの各系統に抵抗性を有し、「スズカリ」および「タンレイ」より強い(表1)。
  5. 子実は白目で、「スズカリ」および「タンレイ」より大きい"大粒の小"で、粗蛋白質含有率は、「タチナガハ」より高く、豆腐などの加工に適する(表1、図1、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:宮城県大豆生産者等。
  2. 普及予定地域・普及予定面積:2012年度に宮城県で「タンレイ」等の一部に置き換える奨励品種に採用されている。普及予定地域は山間高冷を除く宮城県内全域である。2014年度の作付面積は4.6haであり、2015年度は100ha、2018年度までに目標とする1,000haの普及面積が見込まれる。
  3. その他:ダイズシストセンチュウには"やや弱い"ので、過度の連作やセンチュウ被害の発生履歴がある圃場での栽培は避ける。
図表1 237242-1.jpg
図表2 237242-2.jpg
図表3 237242-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2014/14_007.html
カテゴリ 加工 加工適性 機械化 大豆 抵抗性 品種

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