飼育環境の違いによるストレス反応はウシの品種間で異なる

タイトル 飼育環境の違いによるストレス反応はウシの品種間で異なる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2006~2014
研究担当者 東山由美
小松篤司
深澤充
東山雅一
池田堅太郎
上田靖子
秋山典昭
朝隈貞樹
発行年度 2014
要約 ストレスの指標となる尿中コルチゾールレベルは、ホルスタイン種では放牧飼育下の方が舎飼い飼育下よりも高い。一方日本短角種では、舎飼い飼育下の方が放牧飼育下よりも高い。
キーワード 放牧、舎飼い、ホルスタイン種、日本短角種、尿中コルチゾール
背景・ねらい 畜産業界においてもアニマルウェルフェアに対する取り組みが積極的に行われており、飼育環境におけるウシのストレスレベルを把握することは非常に重要である。そこで、日本短角種およびホルスタイン種を用い、放牧や舎飼いといった飼育方式と暑熱が、尿中コルチゾールレベルに及ぼす影響について調べ、飼育環境の違いに対するストレス反応について明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 様々な飼養履歴をもつホルスタイン種50頭(延べ446頭)、日本短角種17頭(延べ187頭)を用い(表1)、放牧および舎飼い時に、表2に示す気象条件のもとで尿を採取し、尿中コルチゾールレベル(対尿中クレアチニン比;ng/mg)を測定する。
  2. ホルスタイン種の尿中コルチゾールレベルは、放牧飼育下の方が舎飼い飼育下よりも高い。これに対して日本短角種では、舎飼い飼育下の方が放牧飼育下よりも高い(図1)。
  3. ホルスタイン種では、放牧時において、泌乳量等に負の影響が見られるとされるTHI≥72の方がそれ未満よりも尿中コルチゾールレベルは高い(図2)。これに対して日本短角種ではTHI≥72による影響は認められない。
  4. 以上のように、品種によって飼育方式や暑熱に対するストレス反応に違いが見られる。
成果の活用面・留意点
  1. 飼育環境がウシに及ぼすストレスレベルを評価する上での基礎的資料として活用できる。
  2. ストレス指標としての尿中コルチゾールレベルについては、2006年度研究・参考成果情報「放牧牛をつなぎ飼い牛舎に収容すると尿中コルチゾールレベルは高まる」を参考にする。
図表1 237264-1.jpg
図表2 237264-2.jpg
図表3 237264-3.jpg
図表4 237264-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2014/tarc14_s14.html
カテゴリ 品種

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