稲発酵粗飼料向きの中生熟期の水稲新品種「たちすがた」

タイトル 稲発酵粗飼料向きの中生熟期の水稲新品種「たちすがた」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究期間 1999~2007
研究担当者 根本博
安東郁男
加藤浩
佐藤宏之
太田久稔
平林秀介
竹内善信
石井卓朗
前田英郎
井辺時雄
出田収
平山正賢
坂井真
田村和彦
青木法明
田村泰章
発行年度 2007
要約 水稲新品種「たちすがた」は温暖地東部での熟期が中生の中に属する粳種である。長稈で主に茎葉重が大きく、可消化養分総量(TDN)含量が高い。また、耐倒伏性に優れ、直播栽培にも適し、関東以西向けの稲発酵粗飼料向き品種として期待できる。
キーワード イネ、飼料イネ、稲発酵粗飼料、直播、関東飼225号、たちすがた
背景・ねらい 自給粗飼料生産の拡大が求められる中で、イネを発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ)として利用する飼料イネの生産が進められている。埼玉県や群馬県では飼料イネ品種「はまさり」を主とした飼料イネ生産体系が確立されている。しかし、この地域での飼料イネ生産を拡大するためには、極晩生熟期の「はまさり」とは異なる熟期の飼料イネ品種を組み合わせて栽培し、収穫機械の稼働率の向上を図る必要がある。
成果の内容・特徴
  1. 「たちすがた」は耐倒伏性の中間母本「関東PL12」と多収品種「タカナリ」の交雑後代より育成された飼料イネ系統である。
  2. 出穂期は「日本晴」より5日程度早く、関東平坦部では“中生の中”熟期に属する。黄熟期は「日本晴」並である(表1)。
  3. 稈長は「日本晴」より約20cm長い。穂数は「日本晴」より少なく、草型は“穂重型”である。
  4. 黄熟期の乾物全重収量とTDN収量は移植と表面散播直播栽培の両方で「日本晴」より多い。精玄米重は「ホシアオバ」より低いが、「はまさり」と同様に茎葉の割合が高い飼料イネ系統である(表1)。
  5. 押し倒し抵抗性が高く、耐倒伏性は「日本晴」より優れる“強”である。特に、直播栽培での耐倒伏性は優れる。
  6. 脱粒性は“難”である。
  7. いもち病真性抵抗性遺伝子型はPibと推定される。葉いもち圃場抵抗性と穂いもち圃場抵抗性は不明である。白葉枯病抵抗性は「日本晴」並の“やや強”である。縞葉枯病には“抵抗性”である。
  8. 米飯は硬く、粘りが少ない。食味の総合評価は“下上”である。
成果の活用面・留意点
  1. 「クサホナミ」や「はまさり」などの晩生の飼料イネ品種と組み合わせて利用し、飼料イネ生産の効率化を図ることが期待できる。
  2. 耐倒伏性は“強”であるが、長稈であるので、中干しを確実に行い、極端な多肥栽培は避ける。
  3. 穂数が少ないので、初期生育を確保する施肥体系とする。
  4. いもち病圃場抵抗性程度が不明なため、病原菌のレースの変化に注意する。
図表1 226657-1.gif
カテゴリ いもち病 直播栽培 縞葉枯病 収穫機 新品種 水稲 施肥 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種 良食味

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