k.地域条件を活かした高生産性水田・畑輪作のキーテクノロジーの開発と現地実証に基づく輪作体系の確立

課題名 k.地域条件を活かした高生産性水田・畑輪作のキーテクノロジーの開発と現地実証に基づく輪作体系の確立
課題番号 2010014837
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,北海道水田輪作研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,東北水田輪作研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,関東東海水田輪作研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,北陸水田輪作研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,北陸大規模水田作研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,中山間耕畜連携・水田輪作研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,九州水田輪作研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,北農研,北海道畑輪作研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,九州畑輪作研究チーム
協力分担関係 地方独立行政法人北海道立総合研究機構
拓殖大学北海道短期大学
北海道大学
帯広畜産大学
芽室町農業協同組合
岩手農研セ
秋田県農技セ
福島農総セ
宮城農総研
長野県農事試験場
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 地域の条件を活かした高生産性水田輪作体系を確立するため、最適耕起・播種技術を基軸とする効率的な施肥・除草・防除技術について、 北海道地域では、1)寒地水田転換畑のダイズ不耕起栽培の生産を安定化するには、畑転換後2年目以降で、発芽法による雑草の埋土種子密度3,000粒/m2以下の雑草が少ない圃場に作付けすれば、慣行栽培と同等の収量が得られ、除草作業負担も増大しないことを明らかにした。 東北地域では、1)大豆の生育ステージは夏季の異常高温に伴い進展が早まり、収量・品質ともに低下し、耕うん同時畝立て、小畦立てのような畦立栽培では高温乾燥による水分ストレスにより減収する事例があることを確認した。有芯部分耕導入の経済的な条件として、資材費をまかなうには単収160~190kgが必要であることを明らかにした。 九州地域では、1)大豆の種子加湿装置を現地5か所で実証し、営農的に活用できることを確認し、大豆種子の苗立安定化のための種子調湿技術のマニュアルを作成した。また、表層散播機については、肥料の施用分布を変更できる施肥機を開発し、除草剤散布装置の装着による省力化を図り、水稲・小麦・ソバ・ナタネの播種に利用できることを確認した。 水田輪作に適する野菜の栽培管理技術について、1)かぼちゃのセル苗と大苗で汎用利用できる移植機構を開発した。また、短節間かぼちゃ「TC2A」の転換畑栽培において、乾物収量、果実の日焼け抑制等から判断した窒素の最適施肥量は、元肥4kg/10a+追肥4kg/10aであることを示した。 直播水稲の生育安定化技術、超省力化技術等の開発について、 北海道地域では、1)水稲の乾田直播において、播種後に鎮圧することにより、苗立ちが安定し播種作業機として麦用グレーンドリルを用いても専用ロータリシーダと同等の精玄米収量を確保できることを明らかとした。 東北地域では、1)水稲の湛水高密度散播直播栽培では、収量自体は例年に比べてやや低かったものの、慣行移植栽培なみであった。5日間保管した密封式鉄コーティング種子を播種したほ場では、播種後15日に一発剤を散布でき、中期剤と合わせて実用上問題ない程度に雑草防除が行えた。 九州地域では、1)直播水稲の出芽苗立ちの安定化技術の開発では、硫化物イオンの生成を抑制するモリブデンを種子にまぶすと苗立ちが向上することを明らかにし、湛水直播された水稲種子の近傍では著しい土壌還元により有毒な硫化物イオンが生成すると推察した。催芽種子を用いてコーティング資材に酸化鉄を70%混入することで、コーティング時の発熱を抑え発芽促進を図ることができた。また、カルパーコーティング種子および鉄コーティング種子を利用したショットガン直播栽培の技術マニュアルを作成した。 水田輪作における新技術導入効果の解明について、 東北地域では、1)作業ごとに写真とビデオを撮影するなど作業手順の素材を収集し、東北地域における大規模水田作に適合した湛水高密度散播直播栽培マニュアルのプロトタイプを作成した。湛水高密度散播直播栽培や大豆300A技術等の新技術を組み込んだ現地実証試験から、水稲・大豆の輪作品目計において、労働時間で約70%の削減、60kgあたり費用合計で約40%のコスト削減が得られるなどの新技術の導入効果を明らかにした。 北陸地域では、1)約50ha規模の大規模水田作経営がエアーアシスト水稲湛水条播、大麦・大豆狭畦密植栽培を用いた輪作体系を導入すると、平成15年産生産費の3割以上を削減できる可能性があることを明らかにした。 北海道および九州における畑輪作体系を確立するため、 生物機能を活かした化学肥料低減技術、病害虫抑制技術について、 九州では、1)夏作飼料作物のパリセードグラスは南九州地域の重要有害線虫2種(サツマイモネコブセンチュウおよびミナミネグサレセンチュウ)の増殖を抑制すること、エンバク「たちいぶき」の線虫抑制効果は、根内での発育抑制であることを明らかにした。 大規模経営体向け栽培技術の開発について、 北海道では、1)キャベツの2条収穫機械体系の作業性は、作業の軽労化と労働時間の33%削減および50a/日の収穫面積が可能であるが、収穫機による結球の損傷が13%以上発生し実用的な収穫精度には達しなかった。また、収穫体系のコスト評価では、収穫機と調製施設を導入した場合にはコスト上昇は避けられず、機械収穫による損傷発生率を開発目標の5%まで改善できれば経営所得は黒字になるが、手取収穫体系の所得より減少する。農家の栽培面積を5haまで増加しても、所得低下は避けられないことを明らかにした。
カテゴリ 病害虫 肥料 かぼちゃ 乾燥 寒地 乾田直播 キャベツ 経営管理 軽労化 コスト 栽培技術 雑草 直播栽培 収穫機 省力化 除草 除草剤 飼料作物 新技術導入 水田 施肥 そば 大規模経営 大豆 超省力 なたね 播種 病害虫防除 不耕起栽培 防除 輪作 輪作体系

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