常緑広葉樹林におけるリターフォールを媒介とした養分循環特性の解明(775)
摘要 1992年および1993年に試験地一体に台風が襲来し、林冠層の破損や高木層樹種の倒伏などの撹乱が生じた。これらの影響は年リターフォール量にも反映されており、特に1993年のリターフォール量は枝...
摘要 前年夏にオオゾウムシに産卵された丸太の回収調査の結果、多くの個体が産卵翌年の夏以降に羽化脱出することが確認された。産卵翌年の11月時点でも材内には幼虫が見られたがその数は少なく、産卵2年後の羽...
摘要 林内雨影響下と樹幹流影響下の土壌から採取した試料から、遠心分離法で土壌溶液を回収した。スギ林では硝酸イオンが陰イオンの大部分を占めていた。硝酸イオンは土壌が深くなるにつれて濃度が低くなった。一...
摘要 セグロアシナガバチでは産まれた卵のうち約16%が成虫として羽化した。本種の巣から産出される成虫数を決定する要因の一つは6月中に産まれる卵の数であることがわかった。働きバチ成虫の平均寿命は約29...
摘要 国内外から野生きのこ約700点を収集し、菌株100系統を分離した。奄美大島においては133点を採集した。奄美大島で採集したビロウスギタケは、1936年に小笠原父島で採集、新種として報告後、採集...
摘要 林床に生育するコジイ稚樹の個葉に一定時間強光と弱光を交互に連続して(変動光)照射しその間の光合成量を測定した。変動させる時間間隔を変えた場合や一定光を照射した場合との比較を行った。変動間隔をか...
常緑広葉樹林における大規模撹乱後の群集回復過程の予測(778)
摘要 常緑広葉樹林における撹乱発生後の個体群・群集回復過程を予測する目的で、本年度は稚樹の成長・生残特性を解析した。1993年の台風撹乱によって形成された林冠ギャップでは、相対光量子(RPFD)が1...
摘要 当年度は散布手段不明のムクロジを対象にシードレインの特性を検討した。ムクロジ果実は散布器官をもたないため、種子の大部分は母樹樹冠下から10m以内に落下した。しかし、実生の分布には母樹からやや分...
摘要 複層林の樹幹流圏土壌のpHを上木と下木で比較検討した。上木(71年生)の土壌pHは平均4.5,下木(20年生)では平均5.3となり,上木の樹幹流圏土壌はより酸性化していた。これはスギ林では約5...
摘要 漏脂症状被害木からは、共通して高頻度に複数属菌(Fusarium属菌、Macrophoma属菌など)が分離された。これらの分離菌株の接種試験では,漏脂症状の初期症状が再現されたが漏脂症状の進展...
摘要 1997年1月から12月までの間に、虫害21種24件、獣害2種12件、および病害21件の発生情報が寄せられた。吉無田試験地で長期モニタリングを続けているスギザイノタマバエの発生数は、例年通り、...
九州地域の森林におけるカラ類等の鳥類と昆虫類との相互作用(797)
摘要 照葉樹二次林に100個のカラ類用巣箱を架設し、そこで繁殖するシジュウカラの繁殖生態と餌となる森林昆虫の発生量との関係を調査した。調査地における一腹卵数はやや少なかったが、1繁殖期のデータだけで...
摘要 熊本県産のニホンジカのメスの繁殖特性について調査した。7年2~3月にかけて熊本県八代郡、球磨郡内9町村で合計172個体(オス87、メス85)が捕獲され、第一切歯を用いて年齢を査定した。0才の妊...
摘要 調査対象地域である熊本県球磨村森林組合において,立木評価手法を調査し立木評価を行うコンピュータシステムを作成するとともに,施業にかかったコストならびに収益を算出した。立木評価システムの開発では...
大型草食獣が暖温帯の植生に及ぼすインパクトの評価と軽減(796)
摘要 9年度は森林にインパクトを引き起こしているニホンジカの食性を明らかにした。7年9月に九州大学宮崎地方演習林(宮崎県椎葉村)内の植生の異なる4ケ所からニホンジカのフンを採取し、フン中に含まれる植...
摘要 アシナガバチやスズメバチなどの社会性狩りバチ類は森林にも多く生息し、森林害虫の制御に貢献していると考えられる。一方、これらのハチは強力な毒針を持ち、刺傷による死亡事故も毎年発生しており、林野作...
摘要 ニホンジカは極東地域に広く分布し、またヨーロッパやオセアニアでは移入された個体が野生化しており、それぞれの個体群は様々な環境へ適応した多様な社会を形成していると考えられる。このようなニホンジカ...
摘要 変異株および正常株は、プロトプラスト化により1核菌糸を得た。交配試験の結果、別の核由来であることが判明した変異株の1核菌糸と、正常株由来の1核菌糸を対峙培養させた。これらの1核菌糸を交配させて...
摘要 チチタケ属(Lactarius)22種のDNAを乾燥標本から抽出した。そのうち14種についてミトコンドリア・小サブユニット・リボソームRNA遺伝子をPCR法により増幅し、塩基配列の一部を決定し...
遺伝育種に用いるシイタケ菌株の作出および連鎖地図の作成(803)
摘要 当年度は、連鎖解析に適したシイタケの菌株の作出を目的に試験を行った。菌株の作出にあたっては、子実体形成能力が優れ、かつ遺伝子のヘテロ接合体率が高くなることに留意した。方法は、三角フラスコを用い...