凍結保護剤処理の障害となるカイコ最外膜(卵殻)の薬剤処理による除去法
要約 カイコ卵の最外層に位置する卵殻は受精卵凍結処理において障壁となっている。本方法は、薬剤処理により効率的に卵殻を取り除くとともに、除殻後の胚の培養条件を検討可能にする方法であり、今後、受精卵凍結...
BT剤の有効成分の一つ、Cry2Aに対する抵抗性の原因遺伝子
要約 ABCA2遺伝子に機能欠損変異を導入したカイコはBT剤の有効成分Cry2A毒素に対する感受性が著しく低下することから、Cry2A毒素に対する抵抗性因子はABCA2である。ABCA2変異のモニタリングにより、BT剤抵抗性発...
要約 シルクフィブロインに導入したアジド基へのクリック反応を用いて親水性ポリマーを結合させることにより、フィブロインへの細胞接着を低減できる。紫外線照射によってあらかじめ部分的にアジド基を破壊してお...
乳房炎治療に有効な免疫調節因子に中鎖脂肪酸モノグリセリドを配合すると効果が高まる
要約 組換え牛顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子(rbGM-CSF)に中鎖脂肪酸モノグリセリドを基剤として配合することによって、rbGM-CSFの乳房内拡散性および分散性が高まり、rbGM-CSF単独に比べ乳房炎用注入剤...
要約 幼若ホルモン(JH)受容体とJHとの結合をコンピューター上でシミュレーションすることで得られた新規骨格を有する化合物は、JHの作用を抑制し、昆虫の変態を阻害する活性を示す。本化合物は、新規作用機序を有...
要約 カイコのbmGSTu2タンパク質の結晶構造解析から、酵素機能には5つのアミノ酸残基が必須である。ゲノム編集を用いた機能解析により、bmgstu2遺伝子の変異体では薬剤への感受性が増加したことから、
カイコ生殖細胞に発現する遺伝子nanosOは正常な繁殖能力の保持に不可欠である
要約 nanosOノックアウトカイコは、正常に生育するが、卵形成が異常であるため正常な繁殖能力を持たない。同カイコでは、通常観察される発生段階で始原生殖細胞(PGC)が確認できていないが生殖細胞形成は...
要約 クワの乳液から発見されたMLX56様タンパク質は、昆虫の消化管内の囲食膜という薄膜を異常に肥厚させて消化を抑制するという、これまでに報告がない全く新たなしくみで昆虫の成長を阻害するタンパク質である...
ヒト疾患の研究に応用可能なミトコンドリア機能低下モデルカイコの開発
要約 ミトコンドリアの機能を司る遺伝子を遺伝子組換えカイコで強く発現することにより、細胞障害を引き起こすことが可能になる。このカイコは、ミトコンドリア機能低下によって引き起こされるヒトの疾患モデルと...
非天然型アミノ酸を効率的にフィブロインに導入できる遺伝子組換えカイコの開発
要約 非天然型アミノ酸を効率良く認識するフェニルアラニル-tRNA合成酵素変異体を発現する遺伝子組換えカイコ系統を作出。従来よりも約30倍の効率でフィブロイン中に非天然型アミノ酸が導入でき、生産コストの低...
要約 培養細胞を用いて、抗幼若ホルモン活性を簡便に評価できるシステムを構築した。また、本評価システムから見出された抗幼若ホルモン活性化合物は、幼若ホルモンの働きを抑え害虫の正常な発育を阻害することか...
要約 チョウ目昆虫に固有の血液性幼若ホルモン結合タンパク質(JHBP)に2種類の蛍光タンパク質を導入した幼若ホルモンセンサーは、幼若ホルモン様化合物のJHBP結合を高感度かつ定量的にモニターすることが可能で、...
カイコ完全長cDNA解読による遺伝子構造決定とデータベースによる公開
要約 カイコの21種類の完全長cDNAライブラリを作製して11,104クローンについて塩基配列を決定した。得られた配列情報を用いた解析により、カイコの多くの遺伝子の正確な構造を明らかにした。完全長cDNAの配列情報...
要約 微生物殺虫剤(BT剤)として利用されている殺虫性タンパク質(Bt毒素)に対する抵抗性遺伝子をカイコで同定した。消化管で働くABCトランスポータータンパク質にアミノ酸1個が挿入されると、カイコはBt毒素...
要約 昆虫幼若ホルモン(JH)結合タンパク質(JHBP)について、JH 結合型と非結合型タンパク質の立体構造決定に成功し、JHBPによるJHの血中輸送の仕組みを世界で初めて解明した。これらの立体構造情報を利用した...
要約 遺伝子組換えカイコの作出により物理化学的性質が天然型と同一な組換え型ブタリゾチームを大量に生産する系を開発した。絹糸表層のセリシン層に蓄積される組換え型ブタリゾチームは絹糸から容易に溶出し、高...
要約 カイコの脱皮ホルモン合成を抑制する前胸腺抑制ペプチドの受容体を同定した。前胸腺における脱皮ホルモン合成は、従来知られていた中枢神経で合成される神経ペプチドばかりでなく、末梢の神経分泌細胞で生成...
ピリプロキシフェン剤のクワシロカイガラムシに対する防除効果と天敵類への影響
要約 幼若ホルモン系IGR剤ピリプロキシフェンを早春期に散布することにより、クワシロカイガラムシ第2世代までを長期間密度抑制できる。本剤は、天敵寄生蜂チビトビコバチに対する影響はないが、捕食性天敵ハ...
要約 新たな抗菌物質として期待されているブタリゾチームの遺伝子を人工合成し、昆虫細胞で発現させることにより大量に培養液中に生産できるシステムを開発した。さらに、培養液の浸透圧を調整することによって...
要約 昆虫の脱皮ホルモン生合成の制御に、液性のペプチド性因子だけでなく神経軸索を介した機構も関与することを解明した。これは、神経投射による脱皮ホルモン生合成制御機構を分子レベルで解明した初の例である...