要約 クワの乳液から発見されたMLX56様タンパク質は、昆虫の消化管内の囲食膜という薄膜を異常に肥厚させて消化を抑制するという、これまでに報告がない全く新たなしくみで昆虫の成長を阻害するタンパク質である...
カイコ生殖細胞に発現する遺伝子nanosOは正常な繁殖能力の保持に不可欠である
要約 nanosOノックアウトカイコは、正常に生育するが、卵形成が異常であるため正常な繁殖能力を持たない。同カイコでは、通常観察される発生段階で始原生殖細胞(PGC)が確認できていないが生殖細胞形成は...
広食性や殺虫剤抵抗性の機構解明等に有用なハスモンヨトウのゲノム情報
要約 ハスモンヨトウのゲノム配列では、苦味受容体および解毒分解酵素をコードする遺伝子が大幅に増加しており、広食性や殺虫剤抵抗性の発達に寄与していると考えられる。 キーワード ハスモンヨトウ、ゲノム情報...
要約 培養細胞を用いて、抗幼若ホルモン活性を簡便に評価できるシステムを構築した。また、本評価システムから見出された抗幼若ホルモン活性化合物は、幼若ホルモンの働きを抑え害虫の正常な発育を阻害することか...
要約 牛乳頭腫症の原因である牛パピローマウイルスと似た構造を持つウイルス様粒子をカイコの蛹で大量に生産させる。このウイルス様粒子はマウスに対して免疫を誘導できる。 キーワード 牛乳頭腫症、牛パピローマ...
要約 カイコで開発したマウス細胞死誘導因子Bax(mBax)の過剰発現により任意の組織に細胞死を誘導できるシステムの有効性をマラリア媒介蚊(ハマダラカ)で証...
要約 チョウ目昆虫に固有の血液性幼若ホルモン結合タンパク質(JHBP)に2種類の蛍光タンパク質を導入した幼若ホルモンセンサーは、幼若ホルモン様化合物のJHBP結合を高感度かつ定量的にモニターすることが可能で、...
要約 メス決定因子Fem piRNAによる分解を受けない耐性型Masc(Masc-R)を全身で強く発現する遺伝子組換えカイコのメスは若齢幼虫で致死する。この仕組みは雄蚕飼育法に応用できる。 キ...
カイコ完全長cDNA解読による遺伝子構造決定とデータベースによる公開
要約 カイコの21種類の完全長cDNAライブラリを作製して11,104クローンについて塩基配列を決定した。得られた配列情報を用いた解析により、カイコの多くの遺伝子の正確な構造を明らかにした。完全長cDNAの配列情報...
要約 微生物殺虫剤(BT剤)として利用されている殺虫性タンパク質(Bt毒素)に対する抵抗性遺伝子をカイコで同定した。消化管で働くABCトランスポータータンパク質にアミノ酸1個が挿入されると、カイコはBt毒素...
要約 昆虫幼若ホルモン(JH)結合タンパク質(JHBP)について、JH 結合型と非結合型タンパク質の立体構造決定に成功し、JHBPによるJHの血中輸送の仕組みを世界で初めて解明した。これらの立体構造情報を利用した...
要約 カイコの脱皮ホルモン合成を抑制する前胸腺抑制ペプチドの受容体を同定した。前胸腺における脱皮ホルモン合成は、従来知られていた中枢神経で合成される神経ペプチドばかりでなく、末梢の神経分泌細胞で生成...
ピリプロキシフェン剤のクワシロカイガラムシに対する防除効果と天敵類への影響
要約 幼若ホルモン系IGR剤ピリプロキシフェンを早春期に散布することにより、クワシロカイガラムシ第2世代までを長期間密度抑制できる。本剤は、天敵寄生蜂チビトビコバチに対する影響はないが、捕食性天敵ハ...
要約 アザミウマおよびコナジラミ類の施設内への侵入は、波長域350~370nmの平均透過率が0%と3%のフィルムでは差がないが、13%では明らかに増加する。供試した9種類の紫外線除去フィルム中、2年展張後にこの平均...
要約 昆虫の脱皮ホルモン生合成の制御に、液性のペプチド性因子だけでなく神経軸索を介した機構も関与することを解明した。これは、神経投射による脱皮ホルモン生合成制御機構を分子レベルで解明した初の例である...
要約 クワの葉がカイコ以外の昆虫に対して強い毒性と耐虫性を持つことと、その原因がクワの葉から滲出する白い乳液に高濃度で含まれる糖代謝の阻害剤として知られる3種の糖類似アルカロイド物質や高分子物質など...
要約 凍結真空乾燥した桑葉をヘキサン等で脱脂後、気流粉砕機等で微粉砕とすることにより、従来の通風乾燥法に比し有効成分を多く含み食品への利用性の高い桑葉粉末が調製できる。 キーワード 桑葉、凍結真空乾燥...
要約 施設栽培コマツナにおいて、UVカットフィルム、防虫ネットおよび太陽熱処理を用いた物理的防除体系によって虫害を大幅に軽減できる。品種により軟弱徒長となる傾向があるが、品種選定により品質の確保は可能...
昆虫ポックスウイルス紡錘体によるウイルス感染増進のメカニズム
要約 ドウガネブイブイ昆虫ポックスウイルス(AcEPV)が作るタンパク質結晶体、紡錘体(spindle)はカイコの核多角体病ウイルスの感染力を100万倍程度増強した。この作用は、紡錘体がカイコ幼虫の中腸の囲食膜を...
要約 抗生物質の一種であるニッコーマイシンZをカイコに投与すると、核多角体病ウイルスに対する感受性が飛躍的に高まることを明らかにした。同剤を10ppm以上含む飼料を食下させることにより、約400万倍の感受性...