リン欠乏水田でのリン施肥による水稲増収量は土壌リン吸着能から推定できる
要約 マダガスカルに広く分布するリン欠乏水田において、リン肥料を施用した際のイネの増収量は、近接する圃場間でも大きく異なり、土壌のリン吸着能が高いほど低下する。 キーワード 土壌診断 施肥管理 マダガス...
水田でのメタン発酵消化液の施用によるメタン排出促進は間断灌漑で相殺できる
要約 ベトナム・メコンデルタの水稲三期作において、メタン発酵消化液の肥料利用と間断灌漑の組み合わせは、現地慣行である化学肥料と常時湛水の組み合わせと比較して、水稲収量を減らすことなくメタン排出量を11...
要約 基盤整備での土壌改良において、リン酸補給資材として使用されている熔リンの代替として鶏ふん炭を利用することにより、土壌の中和やリン酸補給と同時に、土壌への微量要素の補給や炭素貯留が可能となる。 ...
「土壌有機物中の炭素の消失により無機化された窒素からのN2O排出」の新たな算定法
要約 土壌炭素動態モデルRothCの全国計算システム、土壌のC/N比、N2O統計モデルないしIPCCのデフォルト排出係数を組み合わせることで、温室効果ガスインベントリ報告における「土壌有機物中の炭素の消失により無...
多収性品種「オオナリ」の疎植栽培による飼料用米の省力多収生産体系
要約 牛ふん堆肥を施用した水田で、多収性品種「オオナリ」を用いて肥効調節型肥料を活用した50株/坪(約15株/m2)の疎植栽培を行うことにより、リン酸・カリの化学肥料施用量を大幅に削減しながらトコトリエノール...
メコンデルタにおける水稲・肉牛・バイオガス複合システムの環境影響
要約 ベトナム・メコンデルタ地域における、稲わらの飼料利用、肉牛ふんからのバイオガス生産、消化液の水稲作での肥料利用を組み合わせた複合システムは、専業システムと比較して温室効果ガス排出量、エネルギー...
イネのリン欠乏と低温不稔が問題となる栽培環境での効率的なリン施肥法
要約 リン欠乏土壌ではイネの出穂が遅延するため、生育後半に気温が低下する栽培環境では低温不稔が助長される。低温不稔のリスクが高い圃場にリンを施用することで、リン欠乏と低温不稔の双方の改善につながり、...
大豆作の単収が減少する中でも総合生産性(全要素生産性)は上昇している
要約 生産量を全投入量で割った大豆作の総合的な生産性は、単収が減少する中でも上昇しており、生産技術の進歩を示唆する。都府県はこの全国値と同様の傾向を示すが、北海道は単収と総合生産性の両方を上昇させて...
間断灌漑技術(AWD)によるライフサイクル温室効果ガス削減効果
要約 ベトナムのメコンデルタにおける間断灌漑技術導入(AWD)農家は、収量を維持しつつ、播種量、窒素施肥量、リン酸肥料施用量を減らし、ライフサイクル温室効果ガス(LC-GHG)を削減させる。 キーワード 間断灌漑...
残差解析の活用によるコムギ遺伝資源の放射性セシウム蓄積性の推定
要約 圃場内の交換性カリ含量のバラツキを残差解析で補正することにより、コムギの放射性セシウム蓄積性の多様性を解析できる。本解析により、放射性セシウムの蓄積性が特徴的な系統を選定できる。 キーワード コ...
水田転換畑でのプラウ耕体系とスナッパヘッダを用いた子実用トウモロコシの高速作業体系
要約 水田転換畑での子実用トウモロコシ栽培では、播種床造成をロータリ耕体系からプラウ耕体系に変えることで収量を維持しつつ高速作業が行え、倒伏による被害を軽減でき、収穫にトウモロコシキットを装着した国...
要約 人工気象室内でのポット試験において、パラフィン入肥料希釈液を出穂直後の水稲の穂に散布することで、夜間のフェーンによる白穂の発生を抑制することが可能である。この効果は、パラフィン入肥料の種類によ...
西アフリカ天水稲作の各農業生態域区分に最適なリン鉱石直接施用頻度
要約 西アフリカ天水稲作に対する低品位リン鉱石直接施用効果は、1年目には農業生態域区分の違いで顕著な差異が認められる。全ての農業生態域で前年に施用したリン鉱石の残効が期待され、残効の大小によりそれぞ...
要約 水田への緩効性肥料の窒素施用量を慣行の速効性肥料より約3割減肥し、全量基肥や側条施肥により施用することで、収量を維持したまま、作付け期間中の水田からの窒素流出負荷を約3割削減できる。これにより、...
熊本県阿蘇谷の水田下層に出現する酸性硫酸塩土壌の特徴と簡易判別法
要約 阿蘇谷の一部の水田の下層には、表層にあらわれ空気に触れると強酸性を示す酸性硫酸塩土壌が存在する。酸性硫酸塩土壌は硫化水素臭、緑色を帯びた黒色、ヨシなどの植物遺体に由来する泥炭物質から現場で概ね...
要約 水田を利用するサギ類とその餌生物を新たに指標化することで、2012年度マニュアルより簡易に調査できるだけでなく、包括的に水田生態系全体の生物多様性を評価できる。 キーワード 生物多様性、水田、環境保...
小麦カバークロップ不耕起栽培は大豆のアーバスキュラー菌根菌相を変化させる
要約 小麦カバークロップ不耕起栽培は、大豆のアーバスキュラー菌根(AM)菌感染を促進するだけでなくその群集構造にも影響を及ぼし、慣行体系で栽培される大豆とは異なるAM菌相を形成する。 キーワード カバークロ...
低温メタン発酵消化液を施用した水田土壌における窒素無機化特性
要約 低温メタン発酵消化液を水田で液肥利用する場合、消化液に含まれる有機態窒素の無機化に伴うアンモニア態窒素の増加割合は3~13%と少ない。そのため、有機態窒素の無機化を考慮せずに、消化液のアンモニア態...
水稲作の省力化と高品質化の両立可能な圃場基盤の改良と生産管理技術
要約 圃場の緩傾斜による迅速な入排水、堆肥連年施用と深耕による地耐力及び根域環境の向上、高畦と深水管理、成苗移植により、大型機械体系で省力かつ品質の高い減農薬・減肥の水稲栽培が可能になり、水稲作中心...
土壌物理性簡易診断として圃場全面深さ60cmまでの土壌硬度を三次元分布で評価する
要約 GNSSレシーバーと貫入式土壌硬度計を用いて圃場全面に対し深さ60cmまで土壌硬度を測定した後、深さ1cmごとの土壌硬度等高線マップを作成し、土壌硬度の三次元分布を構築する手法である。土壌硬度の偏りを根...