2-(1)養殖業の成長産業化を推進するための研究開発

課題名 2-(1)養殖業の成長産業化を推進するための研究開発
研究機関名 国立研究開発法人水産研究・教育機構
研究分担 水産技術研究所 養殖部門(まぐろ養殖部
シラスウナギ生産部
育種部
生理機能部
生産技術部
病理部
養殖経営・経済室)
協力分担関係 農林水産政策研究所
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構
(国研)国際農林水産業研究センター
(国研)理化学研究所
北海道大学
帯広畜産大学
岩手大学
筑波大学
宇都宮大学
埼玉大学
東京大学
東京海洋大学
東京農工大学
お茶の水女子大学
名古屋大学
京都大学
大阪大学
徳島大学
愛媛大学
高知大学
九州大学
熊本大学
長崎大学
宮崎大学
鹿児島大学
東京都立大学
福井県立大学
基礎生物学研究所
茨城大学
早稲田大学
東京農業大学
日本獣医生命科学大学
中央大学
日本大学
北里大学
近畿大学
関西文理総合学園長浜バイオ大学
香川県立保健医療大学
関西学院大学
(地独)北海道立総合研究機構
岩手県内水面水産技術センター
宮城県水産技術総合センター
山形県
福島県
栃木県水産試験場
千葉県
長野県
長野県水産試験場
静岡県水産・海洋技術研究所
愛知県
三重県
三重県水産研究所
岡山県農林水産総合センター
広島県立総合技術研究所
山口県水産研究センター
島根県水産技術センター
香川県水産試験場
愛媛県農林水産研究所
福岡県
大分県
大分県農林水産研究指導センター
佐賀県
熊本県
長崎県総合水産試験場
熊本県水産研究センター
宮崎県水産試験場
鹿児島県水産技術開発センター
新潟市水族館マリンピア日本海
(公財)東京動物園協会
(公財)海洋生物環境研究所
(公財)三重県水産振興事業団
(公社)山口県栽培漁業公社
(公社)全国豊かな海づくり推進協会
(公社)日本水産資源保護協会
(一財)宮崎県水産振興協会
(一社)マリノフォーラム21
マルハニチロ(株)
(株)ケービデバイス
不二製油グループ本社(株)
ヤンマーホールディング(株)
日本農産工業(株)
マルハニチロ(株)
海洋エンジニアリング(株)
日本ミクニヤ(株)
(株)水圏科学コンサルタント
㈱ニチモウマリカルチャー
マリンテック(株)
姫島車えび養殖(株)
(株)拓水
(特非)サーモンサイエンスミュージアム
研究期間 2021-2025
年度 2021
摘要 ・海面生簀において実証試験を行い、早期種苗が冬季までに天然種苗と同等の体重2kg 以上に成長すること及び従来の人工種苗に比べて冬期の生残率が2倍程度に向上することを明らかにした。また、配合飼料の給餌回数の異なる試験区を設けた飼育試験において、成長率、生残率等を比較し、体重 10gの稚魚の至適な給餌頻度は1日5回であることを明らかにした。
・マルハニチロ株式会社と水産機構が保有する完全養殖クロマグロを交配し、遺伝的多様性を回復させるための共同研究を開始した。
・完全養殖クロマグロで早期成熟・産卵誘導技術の再現性を確認するとともに、産卵を長期間継続させることに成功した。
・ブリの人工交配によって 28 家系を作出し、ばく露試験によりシャットネラ(赤潮プランクトンの一種)に対する抵抗性を調べた結果、抵抗性の高い親同士で交配した家系では生残率が約 40%だったのに対して、通常の交配家系では約25%であった。以上のことから、シャットネラ抵抗性は遺伝することが再確認できた。
・低魚粉飼料の影響評価に有効な生理指標の探索のため、種々の魚粉代替原料を配合した魚粉飼料を与えてマダイ及びブリ稚魚の飼育試験を行った結果、マダイでは肝膵臓で種々の代謝経路に関連した遺伝子のうちステロール合成関連遺伝子の発現量が植物原料の配合量と相関すること、ブリでは消化吸収率と消化酵素の分泌量が飼料の違いを反映することを明らかにした。
・これまで使用してきた仔魚用飼料では、変態期に形態異常が発生したが、この飼料に特定の栄養成分を添加することで正常にシラスウナギに変態することを実証し、変態期に起こる形態異常が飼料中の栄養成分の不足によることを解明した。
・仔魚の生残性を向上させる有用細菌の単離に成功し、仔魚飼育水槽への効果的な添加条件を明らかにした。
・ウナギ仔魚用飼料として、これまでの水分(約7割)が多いスラリー状飼料に替わり、保存、給餌等の省コスト・省力化に大きなメリットがある乾燥飼料を開発した。乾燥飼料の給餌により、従来飼料に近い飼育成績が得られ、さらに乾燥飼料のみでふ化仔魚からシラスウナギまでの育成に成功した。
・宮崎県及び鹿児島県に量産用水槽を用いたニホンウナギ仔魚の飼育技術の移転を開始した。初期飼育試験の結果、良好な成績を得た。
・マダコの種苗生産では着底後の共食いによる生残率の低下が問題となっている。共食い防止のため、着底稚ダコが好む環境条件を明らかにすることを目的に人工種苗を用いた飼育試験を行った。その結果、稚ダコは個体間干渉を回避するように等間隔に分布すること、稚ダコが隠れる構造物を設置すると生残率が高くなることを明らかにした。
・タイラギの卵成熟を誘発する生理活性物質を神経から抽出、精製し、その化学構造を同定した。人工的に合成したこの物質をタイラギに投与することで短時間での産卵、放精に成功し、安定的な採卵技術の開発に繋がる成果となった。
・緑色 LED 照明は、ヒジキ発芽体の生長促進とヒジキの生長を阻害する雑海藻の繁茂抑制に効果があることがわかった。また、令和2年度に生産したヒジキの付着根からの再生体は、受精卵由来のものに比べ生長が早いことがわかった。さらに、2mm 以降のヒジキの育成には、雑海藻のみを食べるメジナ幼魚の混養が雑海藻の除去に有効であることがわかった。これらの技術は、安定的かつ簡便な種苗生産に利用できる。
・関連した取り組みとして、経営的な観点から養殖業者への聞き取り調査を行い、ヒジキ養殖による所得や新たにヒジキ養殖を実施する際の目安となる所得目標値を把握した。
・板状出血症の病魚から血管内皮壊死症ウイルスがPCR及び抗体検査で検出され、人為感染試験でも症状が再現されたため、本疾病は血管内皮壊死症と同一の病気と考えられた。また、アコヤガイ稚貝で大量死を引き起こしている軟体部萎縮症の原因病原体は、ビルナウイルス科の新種であることを特定し、本ウイルスの PCR による検出法を確立した。
・伝染性造血器壊死症に対する DNA ワクチンを4種類試作した。有効性試験では、海外の市販 DNA ワクチンと同等以上の結果を得た。最も成績が優良だったワクチンでは、市販ワクチンの 1/15 投与量でも高い有効性が示された。
・クロマグロの体色黒化、鰓の出血等が生じるイリドウイルス感染症について、製薬会社が改良した試作ワクチンで有効性の向上を確認した。
・ブリの体表の潰瘍、鰓の結節形成等が生じるノカルジア症に対する弱毒生ワクチン、クロマグロの眼球突出、腎臓や脾臓の腫れ等が生じる連鎖球菌症に対する経口ワクチンの有効性を確認した。
・シミュレーションモデルを用いた解析から、ゲノム編集したクロマグロの養殖場から逸散した場合の交雑等に伴う天然資源への影響は極めて小さいことが推定された。
・顧客の要望や意見を第一に考え、それに基づいた製品開発を行っていくマーケット・イン型養殖業の取り組み状況やそれに対する国・業界の評価、スマート機器の養殖業への普及状況、養殖ブリに対する消費者の選考等を聞き取り調査やウェブアンケート等から把握した。
〔アウトカム〕
・民間養殖場等でのクロマグロ早期卵を用いた種苗生産試験、民間養殖場でのクロマグロ早期種苗を用いた育成試験、民間養殖場での早期種苗の冬季の生残を確認する飼育試験を実施した。
・県水試でウナギ仔魚飼育技術の移転の実証試験を行った。
・養殖業者等へニホンウナギ組換え生殖腺刺激ホルモンを用いた催熟・採卵方法を、有明4県等へタイラギ種苗生産技術を、岩手県漁協等へホシガレイ陸上養殖技術を、県、民間企業等へブリ種苗生産技術を、福井県等へのヒラメの内臓白濁・出血等が生じるアクアレオウイルス症の防除対策を、県等魚病担当者へ魚病診断技能テストを技術指導した。
・ブリ類の筋肉中に被嚢組織等が残るべこ病原因虫の検出マニュアルを、令和3年7月にウェブサイトで公開した。
・べこ病治療薬が認可され、ニホンウナギ組換え生殖腺刺激ホルモンが製品化された。
・水産試験場からの特定疾病、不明病診断依頼に対応した。
カテゴリ 乾燥 経営管理 コスト 飼育技術 省力化 抵抗性 防除

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